誰と何を争うのか
典型的には3つの類型があります。取引所との紛争(資産の留め置き、強制決済による損害、出金を認めないオフボーディング)、取引相手との紛争(履行されないOTC取引、暗号資産の貸借、共同事業の精算)、そしてプロジェクトをめぐる紛争(トークンへの出資、開発チームの義務)です。
結果を左右する要素
- 管轄と合意条項。取引所の利用規約には、ほぼ必ず仲裁合意と準拠法の指定があります。ただしこれは決定打ではありません。一部の国・地域の消費者保護法により、自国の裁判所で争える場合があります。提訴前に確認すべき点です。
- 保全処分。暗号資産は数分で移動します。資産を凍結しないまま訴訟に勝っても、空のウォレットを相手にしていたということになりかねません。主要な法域の裁判所は暗号資産を凍結する手法を確立しており、氏名不詳者に対する保全も行われています。
- 証拠。オンチェーンのデータは強力な証拠ですが、適切な形式に整える必要があります。専門家の意見書、公証による記録、アドレスと人物の結びつけが求められます。
紛争の採算
着手前に正直な計算をします。全期間の費用、回収可能性(資産のないオフショア法人に対する判決は紙にすぎません)、そして所要期間。当事務所が提訴をお勧めしない件数は、お受けする件数を上回ります。健全な実務における当然の比率だと考えています。
よくある質問
利用規約に仲裁条項があっても取引所を訴えられますか?
可能な場合が少なくありません。一部の国・地域の消費者保護法は、条項にかかわらず自国の裁判所で争う権利を認めています。お客様の居住地と立場(消費者か事業者か)によって判断します。
取引所との紛争はどのくらいかかりますか?
請求書面の段階は数週間、仲裁または訴訟は数か月から数年です。だからこそ、本案の判断の速さよりも、初期の保全処分のほうが重要になります。
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